ドル円相場に絞って、時間分析を交え、相場分析手法の基本をお伝えしてまいりたいと思います。
■先週(22-26日)の外国為替相場は、クリスマス休暇の影響もあり、総じて小動きでした。
先週号メルマガにて、ドル円相場の時間サイクルについてご説明しました。
そして、メルマガ後半部分にて以下のように締め括らせて頂きました。
「以上から、12月17日と日柄は、日足分析、及び週足分析から判断して、意味のある時間帯であったと言えるわけです。
このように、12月12日に、それまでの重要サポートであった90.87円をブレイクし、急落したドル円相場ですが、その後87.13円まで下げて、結局、先週は、88.30円にて越週しました。
果たして、今週(12月22-26日)に、続落して、新安値を更新するのか、それとも、反転、上昇するのか、時間分析の観点からも注目すべき日柄を迎えた後の相場だけに、特に注目したいと思います。」(以上先週号メルマガより引用)
実際の相場は、クリスマス休暇で閑散な中、大きな動きとはなりませんでしたが、週足でみると、オープンの89.52円を安値に、高値90.99円、終値は90.81円となりました。
先々週の週足(下ひげの長い陰線)の実態線(陰線)の部分とほぼ同じ値幅を伴った実態線(陽線)の格好となっているのが見てとれます。
尚、週足ローソク足を観察してみると、10月24日に最初の安値90.87円を付けて以降の戻り高値である100.56円を付けた11月4日の週以降、7週連続して陰線の週足が続いているのが分かります。
7週連続というのは、滅多に出ないパターンではあります。
そして、7連続陰線の後、先週引けた時点で、初めて陽線の週足が出現したことになります。
■週足時間分析からは、安値90.87円を付けた10月24日の週から今年の安値87.13円を付けた12月17日の週まで9週間経過しました。
既に何度もご説明している通り、「9」は重要な基本数値です。
この「9」を週足ベースで出現したことで、時間の節目を迎えたと読めたわけです。
さらに、週足時間分析で、先週号では触れなかったタイムサイクルをここでご紹介させて頂きます。
昨年の高値124.14円を付けた2007年6月22日の週から今年前半の安値95.77円を付けた3月17日の週まで40週を要しました。
そして、この3月17日の週から今年の安値87.13円を付けた先々週まで同じく40週要しました。
すなわち、高値124.14円から安値95.77円まで40週経過した一方で、安値95.77円から安値87.13円まで同じく40週経過したわけです。
いつも申し上げている「対等時間」の出現です。
「対等時間」は「変化時間帯」を示唆します。
「変化時間帯」とは、トレンドの加速、もしくはトレンドの転換です。
今回のケースの場合、トレンドの加速の場合は、ドル安円高の加速です。
トレンド転換の場合は、ドル高円安への転換です。
このように、トレンドの加速もあれば、トレンドの転換もあるということで、「転換日」ではなく、「変化日」と名付けているわけです。
先週の87.13円を付けた週にて相場トレンドが加速するのか、それとも転換するのか、時間分析に加え、「スパンモデル」、「スーパーボリンジャー」等々を用いた検証を行って、「予測」を立ててみたいと思います。
■さて、ここで、ローソク足の見方を一つご紹介させて頂きましょう。
ローソク足には、オープンと終値に加えて、高値と安値があります。
相場のトレンドを判断する上で、重要な判断ポイントは、この高値と安値です。
具体的にどう判断するかというと、前週の高値と安値を今週、どちらに抜けるかです。
上昇トレンドの場合は、今週、前週の安値を下回ることはありません(あくまで、そのケースが多いという意味であり、絶対というわけではありません)。
一方、下落トレンドの場合は、今週、前週の高値を上回ることはありません(同じく、そのケースが多いという意味で、絶対というわけではありません)。
このような分析は一見実に単純に見えますが、実際には大いに役に立つものです。
相場分析というのは、基本的に複雑、難解なものであっては意味がありません。
実践のトレードでは、「シンプル・イズ・ベスト」が何より大切です。
一瞬見ただけで判断出来ることが、外貨証拠金取引のようにレバレッジを効かせたリスクあるトレードを行うに際して特に大切な必要条件であると考えます。
■それでは、上記予備知識を持った上で、直近のドル円相場を見てみましょう。
戻り高値100.56円を付けた11月4日の週以降、週足ローソク足の高値が毎週切り下がっているのが分かります。
ちなみに、先々週の高値は91.36円であり、先週の高値は90.99円であったことから、依然として下げトレンドの条件を満たしていることが分かります。
ここからのポイントは、今週(29-2日)、先週の高値である90.99円を上抜けるかどうかに注目しておけば良いわけです。
そして、仮に、この90.99円をブレイクした場合は、ドル買い加速する可能性が高いと判断出来そうです。
一つのトレード方法としては、90.99円越えにストップベースの買いオーダーを置くことです。
ストップオーダーをポジションのエントリーとして利用するわけです。
■尚、日足ベースのスーパーボリンジャーで見てみると、ドル円相場は、先週末(12月26日ニューヨーク終値)時点で、引け値が90.81円、センターラインの位置が91.38円、マイナス1シグマラインの位置が89.56円となっています。
センターラインである21日移動平均線を下回っていることで、基調としてのトレンドがドル安円高であることが分かりますが、同時に、マイナス1シグマラインを上回って引けていることで、底固い動きから堅調地合いを示唆しています。
今後のポイントとしては、センターラインを上回って引けるか、それとも、センターラインを上抜けることが出来ずに反落するか、さらには、マイナス1シグマラインをホールド出来るかどうか、です。
センターラインを上抜けていくと、相場上昇力はさらに増す可能性があります。
今年8月後半以降、日足ベースの実勢終値が日足スーパーボリンじゃーのセンターラインである21日移動平均線を基本的に下回る動きが続いているのが分かります。
「基本的に」と書いたのは、2回だけ、上回って引けましたが、翌日には反落、再びセンターラインである21日移動平均線を下回っているのが見てとれます。
このように、21日移動平均線というのは、極めて簡単、単純なラインですが、相場判断を行う上で、非常に重要な情報を与えてくれるのです。
■続いて、ドル円相場を60分足スパンモデルで検証してみると、東京時間12月18日深夜にドル買いシグナルが点灯して以降、基本的に買いシグナルが点灯継続したままです。
遅行スパンも、直近の動きを見る限り、陽転しており、ドル買い優勢であることが分かります。
60分足スパンモデルは、60分足ローソク足をベースとしていますが、今回の場合のように、1週間を通じてシグナルの変更はありません。
スパンモデルは、そのローソク足の時間枠が短期間の割には、それほど短期のシグナルではないことがお分かり頂けると思います。
スパンモデルは、直近のゾーンの位置の計算値が過去52本のローソク足の高値と安値を対象としている点は重要な注目点です。
私が、数日から1週間程度の期間でのスイングトレードに60分足スパンモデルが適しているとご説明している根拠、理由でもあります。
デイトレードでは、1分足スパンモデルや5分足スパンモデルが有効となりますが、この60分足スパンモデルも大切なチャートです。
シグナル変化に加えて、実態線の位置、ゾーンとの位置関係、遅行スパンと実態ローソク足との位置関係等々を観察するだけで、より短期のスパンモデルを見ているのと同等の効果があるとも言えるのです。
いずれにしましても、この60分足スパンモデルでは、ドル円相場は現在、買いシグナル点灯中であり、遅行スパンも実態線を下回ることなく推移し、ドル堅調地合いを示唆していることが見てとれます。
■尚、日足スパンモデルによると、ドル円相場は、先週末時点で、ドル売りシグナル点灯継続中ではあるものの、実勢レベルが僅かながらもレジスタンスゾーン下限を上回って引けているのが分かります。
下落相場の場合、スパンモデルにて、実勢レベルがレジスタンスゾーンの下限に戻りを抑えられながら下げていくのが典型的な下げトレンドです。
時間枠に関係なく、上昇トレンドであればサポートゾーンの上限、下落トレンドであればレジスタンスゾーンの下限に抑えられるのが理想的です。
今回はその典型的な下げトレンドを壊す動きが小さいながらも生じている点を見逃さないようにしたいと思います。
さらに詳しい分析については、「有料メルマガ」「有料掲示板」等をお読み頂けると幸いです。
以上です。