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相変わらず、金融不安に振り回されているマーケット情勢です。
■まず、直近で起こっている出来事ですが、米金融危機が一段と深刻さを増しており、金融再編の行く末は極めて不透明な情勢が続いています。
まさに世界経済への影響は計り知れない事態となっているようです。
25日の米貯蓄貸付組合最大手ワシントン・ミューチュアルの破綻に続き、26日には株価が急落し資金繰り不安が高まっている米銀行4位のワコビアが「身売り」交渉に入ったと伝えられました。
証券、保険、貯蓄組合大手に続き、大手銀行までが経営危機に直面する恐れも出てきたわけです。
そして、「経済全般が危機にひんしている」と述べたブッシュ米大統領は、7000億ドル(約75兆円)の公的資金の投入に動く必要性を強調し、公的資金活用を柱とする金融安定化法案を巡り、米議会と政府は大詰めの協議に入っています。
議会では民主・共和両党の幹部が安定化策の原則で合意してはいるものの、現時点では、公的資金投入に下院共和党内から異論が出たため、金融機関の経営者の報酬制限、株式引受権(ワラント)の政府取得などの修正案を巡り最終調整が続いています。
いずれにしても、週内決着を目指して政府・議会による協議は27日も継続されているというのが直近の情勢です。
■これらを背景に、マーケットは依然として不穏な状況にあるわけですが、週末金曜日は、米大統領の声明「議会は相違克服し法案を可決」などを受けて、週末には金融安定化策に何らかの合意が見られるとの楽観的見方から株価が上昇に転じたことなどが市場では材料視されたようです。
ところで、外国為替市場の動きは、クロス円相場(ユーロ円、ポンド円、豪ドル円、NZドル円相場等々)上昇という流れが依然として続いていると判断されます。
私は、常日頃から、ファンダメンタルズ要因を事細かに追うことはしていません。
大筋の流れを新聞、インターネット等で追いかけている程度です。
結局は、需給も含めて、市場の全ての材料をマーケットが織り込んで動いている以上、マーケットの動きを追いさえすれば、自然と全体の流れについていくことが出来ると考えているからです。
それでは、以下に、実際の相場がどういう現在位置にあるか、そして今後どのような動きが「予測」(「予想」ではない)されるか、分析してまいりたいと思います。
■まずは、最近マーケットの動きの主流となっているクロス円相場の代表として、ユーロ円相場を取り上げてみたいと思います。
以下のチャートをご覧頂きながらお読みになるとご理解が早いと思います。
↓   ↓
http://www.span-model.com/
添付のチャートは日足ベースのユーロ円相場の「スーパーボリンジャー」です。
実は、26日に「(株)マネースクウェア・ジャパン」にて開催されました私のセミナーにても少し触れさせて頂いた点ですが、26日(週末金曜日)の終値が非常に重要だったのです。
世の中の多くの市場参加者が、米国金融安定化法案の決着の行く末を巡って、あれこれ気を揉んでいる最中に、私は、もっぱら26日金曜日のニューヨーク終値が一体どの水準になるのか気にしておりました。
ところで、セミナー終了間際であった午後8時45分頃ですが、ユーロ円相場の5分足スパンモデルが買いシグナルを示したのです。
午後9時にセミナーを締めくくるに際し、最後に簡単な挨拶をする場面になって、私は思わず出席者の皆様に、「今さっきユーロ円相場の5分足スパンモデルにて陽転(買いシグナル)が発生しました。」と述べてしまいました。
元々、私は、ユーロ円相場のみならず、26日のニューヨーク市場終値が21日線水準を下回って引けると、反転、上昇ステージにあるというメインシナリオが崩れてしまう可能性が高まると読んでいました。
そして、セミナー開催日時であった、26日(金曜日)の午後7時から9時までの時間中、ユーロ円相場はじめ、幾つかのクロス円相場(豪ドル円、NZドル円)が21日線水準を下回って推移していたのです。
それだけに、正直、ニューヨーク市場の動向が非常に気になっていたのです。
つまり、金曜日の終値次第でそれまでのメインシナリオに大きな狂いが生じるかもしれない、そんな気持ちで相場を見ていたわけです。
ちなみに、ユーロ円相場の5分足スパンモデルは、その後、ニューヨーク史上の引けまで買いシグナルが点灯したままでした。
9時間の間、シグナルが変化なかったわけです。
この点からも、5分足をベースとしてはいても、決してそれほど短期なチャートではないことがお分かり頂けると思います。
一般の5分足チャートとの違いをご理解して頂けるものと思います。
■ところで、ユーロ円相場は、そもそも、9月16日に安値を付けて以降、日足スーパーボリンジャーのマイナス1シグマラインを上抜けて引けた時点で、ようやく反転・上昇を示唆していました。
その後、9月19日に及んで、センターラインである21日線を上回ったわけです。
マイナス1シグマラインを上抜けて引けた時点で、上昇に転じた可能性が一気に高まったわけですが、センターラインをブレイクしたことで上昇トレンドが確認されたのです。
こうして、21日線を一旦上抜けた相場が、そのまま21日線水準をキープし続けるかどうかが私にとって、「大きな関心事」となったわけです。
尚、21日線を上回った相場は、今度は、プラス1シグマラインとどう関わっていくかが重要なポイントです。
例えば、プラス1シグマを上抜けて引けた相場は、引き続き同レベルを上抜けて引け続けることが出来るかどうか、ぜひとも注目して頂きたいのです。
このような、21日線、そしてプラス・マイナス1シグマラインとの関係の重要度は、私にとっては、米金融改革法案の行く末と同じくらい大きなものと言っても過言ではありません。
一般的には、たかが移動平均線と言われるかもしれませんが、この21日移動平均線は終値ベースで見て、本当に大事なラインであることを、ここで繰り返し申し上げておきた
いと思います。
■さて、この移動平均線と同じ程度に重要なポイントがありました。
それは「時間分析」です。
「相場は時間で動いている」と、常日頃申し上げている通りです。
大袈裟、滑稽に聞こえるかもしれませんが、映画「踊る大捜査線」風に言うと、相場は「ファンダメンタルズ」で起こっているのではなく、現場である「時間の世界」で起こっている、ということです。
さて、この日足ベースの時間分析を行うと、大方のクロス円相場、及びドル円相場がここ最近の安値を付けた9月16日からカウントして、9月26日(週末金曜日)が9日目に応答していることが分かります。
この「9日」という時間サイクルは「9週」とならんで、非常に重要な時間単位です。
日足ベースでは、比較的短期の時間ではありますが、いつも注意しておいて無駄はないと思います。
私は、この「9」以外では、「17」「21」「26」「32」「42」「55」などを重視します。
もっとも前後1日から2日程度ずれるケースもあります。
尚、それ以上大きな数値をカウントしても良いのですが、さすがに骨が折れる作業となってきます。
それならば、日足を週足に、さらに月足に変更していけば、上記の数値の応用ということで充分に網羅出来ると考えています。
例えば、「42日」が「9週」に当たるという感じです。
■要するに、9月26日と言う日柄は9月16日から「9日目」という「重要変化日」であったわけです。
この「重要変化日」というのは、これまた繰り返し申し上げている通り、相場がそれまでの動きを加速させる日、もしくはそれまでのトレンド方向と逆向きに転換するタイミ
ングの日柄を示しています。
私は、「重要変化日」である以上、相場がそれまでの動きを加速させるケースよりは、やはり、相場がそれまでのトレンド方向の逆向きに転換するケースを重要視します。
尚、上記で挙げた「9」「17」「21」「26」「32」「42」「55」等の基本数値が「重要変化日」となるように、「対等時間」も同じく「重要変化日」です。
「対等時間」とは、ある時間を掛けて下げた(上げた)相場は、その同じ時間を掛けて上げる(下げる)確率が高いことから、特に相場の転換点を事前、もしくは事後予測す
る上で非常に重要です。
■さて、ちょっと話がそれてしまいましたが、9月26日という日柄は、ドル円相場、及び多くのクロス円相場にとって、重要な「変化時間日」であったわけです。
相場の転換が起こるケースが比較的多い以上、以下のシナリオが成立していました。
第1のシナリオは、9月16日に安値を付けたことで、その9日後に高値を付けた後、反落するケースです。
第2のシナリオは、安値を付けた日から9日目に一旦の押し目を付けるケースです。
最初のシナリオは、安値から一本調子に上昇していく「I波動」と言う展開です。
2番目のシナリオは、安値から高値を付けて、その後押し目としての安値を付ける「V波動」という展開です。
私はカナダ円相場を除いて、19日(金曜日)から22日(月曜日)にかけて高値を付けた相場が、じりじりと値を切り下げてきていただけに、短期の「重要変化日」である「9日目」である26日(金曜日)に9日間の高値を付けるのは困難であるにしても、押し局面としての価格の節目となる可能性が高いと読んでいたわけです。
そして、直近の戻り高値をつけた19日や22日以降の安値を一旦は付ける格好で、その後上昇していく公算が高まったと判断しつつありました。
逆に、もし、中途半端な押しにとどまった場合は、さらなる下げに繋がる可能性が残されていると判断したわけです。
■以上のような意味合いから、私は、週末金曜日にしっかりと押し目を付けるというパターンが起こりそうな気配を市場の流れに感じました。
案の定、19日、もしくは20日以降の安値をしっかりと付けた後、ニューヨーク市場の引けにかけて上昇基調を辿り、結局は、21日移動平均線を上抜けて引ける展開となったわ
けです。
ということで、大方のクロス円相場は、反転上昇のシナリオに沿った動きが続いていると判断するに至りました。
もっとも、今週末の米国のおける金融改革法案の行く末次第では、週初に荒れる可能性がないとは言えません。
しかしながら、少なくとも、「終値ベースで判断する」、という私の分析手法によると、上記のメインシナリオが存続しているということになったのです。
■さて、今後の動きですが、週初に荒れるリスクがあることを前提しながらも、以下のように予測しています。
ユーロ円相場は、少なくとも、日足ボリンジャーバンドのプラス2シグマラインを目標値とした上昇トレンドが継続していると読んでいます。
その後の展開は、その時点で分析、検討致しますが、現時点での私の分析では、あくまでそうなる可能性が高いということです。
それでは、何故プラス2シグマラインまでの上昇が予測されるのかという点ですが、それは私の経験法則と申し上げておきます。
もちろん、100%ではありません。
プラス1シグマまでの戻りで息切れして下落するケースもあります。
ただ、私の経験則では、マイナス2シグマライン近辺にいた相場が反転上昇すれば、プラス2シグマライン近辺にまで上昇する、もしくは、プラス2シグマライン近辺にいた相場が反転下落すれば、マイナス2シグマライン近辺にまで下落する可能性が高いということです。
これはあくまで私流のボリンジャーバンドの利用方法の一つです。
週末の米金融安定化法案が果たしてどういう結末を迎えるか、それを受けて週初の相場がどう動くか、それはマーケット、相場に聞くしかありません。
いつものことですが、淡々と相場の流れに沿って、逆らわず、ついていくのみです。
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