今週は、多くの方々から多くのご質問を頂戴する「相場と時間」についてお話してみたいと思います。
「時間分析」は私の相場分析の根幹をなすものです。
基本トレード手法である「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」を補うものとして、大きな柱とも言うべきものです。
「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」「時間分析」を併せて、「3兄弟(3姉妹)」と呼んでも良いかもしれません。
  
■まず、先週の相場の推移を振り返ってみましょう。
先週(20-24日)は、ドル円、ユーロ円等のクロス円相場は、一旦はピークアウトして軟化、軽い押しを入れて、木曜日にかけて再上昇、週末は静かな動きとなり、そのまま越週しました。
ユーロドル、ポンドドル、豪ドルは概ねしっかりとした動きを継続、堅調地合いをキープしながら越週しました。(豪ドルと書く場合、正しくは対ドル相場を指します)
相変わらず、往ったり来たりの相場に見えますが、実は、極めてリズミカルに動いた週でした。
その間、それなりに、ファンダメンタルズ(不安だメンタルズ)の「材料」が現れましたが、「相場のリズム」を崩すことは出来ませんでした。
実は、「相場のリズム」の要因となっているのは、「時間」です。
それでは以下に、先週見られた「相場のリズム」を振り返りつつ、「時間」のお話をしてみたいと思います。
■相場は「時間」で動いています。
相場は「材料」で動いているように見えて、実は「時間」で動いています。
世の中の多くの人は、相場はファンダメンタルズの「材料」で動いていると理解されているようです。
確かに、長期的に見て、一部そういう面はあるかもしれませんが、短期、中期的に見て、「材料」よりも遥かに大事な要素があるのです。
それが「時間」という要因です。
「買い材料」、「売り材料」、無数に存在しており、毎日、私達の目や耳に入って来ます。
しかも「買い材料」「売り材料」は拮抗すると言っていいぐらい互いに数多く存在しています。
一度、紙にでも書きだして見ると面白いと思います。
それぞれが独立して存在していることもあれば、互いに影響し合っていることもあります。
一見、「買い材料」に見えて、時には「売り材料」にされるケースもあります。
例えば、米国長期金利の上昇が米金利の上昇を背景にドル買い材料になることもあれば、金利上昇を受けた株式相場の軟化を受けてドル売り材料になることもあります。
かつては、米国財政赤字問題が「双子の赤字」(貿易赤字と財政赤字)と大きく材料視されましたが、その頃でさえ、財政赤字の拡大がドル買いになったりドル売りになったりしました。
すなわち、財政赤字の拡大が「双子の赤字」の悪化と捉えられればドル売りであり、米金利の上昇と捉えられればドル買いと見なされたのです。
■私は、「ファンダメンタルズ」の材料は、その時々で「ファッション」のように市場で取り上げられるものと考えています。
過去、マネーサプライが多いに重要視された時期がありました。マネーサプライの発表がある度に金利が上がる、下がるとマーケットが騒ぎ、相場が動いていました。
やがて、貿易収支に関心が向かいました。特に日本の対米貿易黒字が話題になり、日米貿易不均衡という背景の下で、貿易収支、国際収支の発表の度に相場が大きく動きました。
その後、米国雇用統計やGDPに大きな関心が向かいました。さらには、米国金融問題、やがてサブプライム問題と言う風に、その時々に中心となる「材料」が生起してきたのです。
もちろん、どの時期も、上記の「材料」の多くが存在し続けたわけで、全く無視されたわけでなく、重要度が上がったり下がったりしたということです。
それにしても、かつてはあれほど躍起になって問題視していた「貿易不均衡問題」「貿易赤字問題」が市場ではほとんど重要視されない状況を見て、実に、市場とは「浮気者」だなと思います。
まさに、ころころと市場の関心が変遷していくのです。
今でこそ、日本の経済指標(日銀短観、GDPなど)が関心をもって取り上げられることはありますが、かつては、ほとんど無視されました。
もっとも、最近は、日本の経済指標への関心度合いは再び減退しているようです。
■以上のように、「買い材料」「売り材料」を挙げていくと切りがないくらいです。
ちょうど、電車の線路が2本、互いに交わらずに、延々と続いていくようなものです。
「買い材料」と「売り材料」が向き合ったまま、相容れない状況が続いているわけです。
そして、市場参加者である投資家は、どちらを重視したら良いのか、いつも迷わされ、悩まされるのです。
私が、ファンダメンタルズのことを「不安だメンタルズ」と呼ぶ理由です。
ですから、はじめから「ファッション」と思っておけば余計なことを考えず、その時々でマーケットの関心のある方向を向けば良いだけのことと言えなくもありません。
時期に応じて、今の「ファッション」はああだ、こうだと解釈し、不安ではあるものの、その「ファッション」についていくのも、トレードの一戦略かもしれません。
しかし、それでは、残念ながら、相場の本質を捉えていないと言わざるを得ないようです。
実は、相場は「時間」で動いているのです。
「事件は会議室で起こっているのではない、現場で起こっているのだ」という人気映画のセリフがありますが、同次元の理解をする上で、言い得て妙だと思います。
相場の基本的な流れは「時間」が最大の要因です。
相場の流れを早くしたり、遅くしたりする「触媒」の役目を果たすのが、「ファッション」すなわち、それぞれの「材料」です。
言い換えると、「材料」は「調味料」のようなものです。
肝心の食材が「時間」とも言えそうです。
■さて、実際の相場の具体的なお話をしましょう。
ここで、時間分析の一例として、この最近のドル円相場を取り上げてみましょう。
週足で見て、ドル円は、安値87.10円を付けた1月21日の週から安値91.73円を付けた7月13日の週まで26週間経過しました。
26週と言う時間の「26」という数値は「基本数値」の1つです。
「基本数値」とは、一目均衡表理論の時間論の骨子です。
尚、私の時間分析で用いる「基本数値」は、一目均衡表理論の数値以外も含んでいます。
さらに時間分析を続けると、押しの安値93.85円を付けた5月22日の週から7月13日の週まで9週経過しました。
「9」という数値は、短期の時間サイクル上、極めて重要な数値です。
尚、この93.85円を付けた時間は、過去4カ月程度のドル円相場の中で、中心点とも言うべき時間の節目であると考えられます。
次に、日足ベースで時間分析をしてみましょう。
戻り高値97.00円を付けた7月1日から安値91.73円を付けた7月13日にまで9日経過しました。
戻り高値98.90円を付けた6月5日から7月13日まで27日経過しました。27日は、基本数値「26」の近似値です。
また、93.85円を付けた5月22日から7月13日まで37日要しました。
「37」や「38」というのは、私の「ルール」では、「基本数値」となります。
さらに、7月13日から7月23日まで9日経過したのが分かります。従って、7月23日の高値95.30円は目先の高値となる可能性が高いと判断出来たわけです。
以上のように、刻々と時間の変遷と共に、相場は時間の節目毎に「変化時間帯」を迎え、転換したり、加速したりするのです。
「変化時間帯」とは、相場がそれまでの動きを加速するか、もしくは、それまでの動きから転換する時間帯のことを指します。
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は、この辺りの「時間分析」を日々更新させて頂いております。
時間分析を行うことによって、相場の方向性をより正確に把握することが出来ます。
繰り返しになりますが、相場の方向性を決定付けているのは、「時間」という要素です。
時間はチャート上では、横軸の分析です。
一方、価格は縦軸の分析です。
一般的には、価格分析に関心が向かうようですが、より重要なのは横軸である時間分析です。
上昇相場、下降相場、レンジ相場がそれぞれどの程度の期間継続となるかを判断、予測出来れば、あとは、その予測される時間の間、ポジションをキープするだけで良いわけです。
レンジ相場では、積極的なポジションテイクを控えるか、敢えてトレードするならば、上下のターゲットを、スーパーボリンジャーを目安に売買を繰り返すことが望ましいと考えます。
いずれにしても、時間分析を行うことによって、相場が変化するタイミング(「変化時間帯」)を把握することが出来ます。
そのタイミングが訪れるまでは、トレンドの持続の可能性が高いと判断されることから、シグナルに基づいた息の長いトレンドフォローのトレードが出来るわけです。
あとは、時間を念頭に置きつつ、トレンドが途切れるまでの間、シグナルの変化に注意しつつ流れに乗るだけです。
トレンドが途切れるタイミングの把握には、時間の経過を最優先にしつつも、スパンモデル、スーパーボリンジャーをチェックすること、特に遅行スパンの転換に注目することが重要です。
私は、デイトレードもスイングトレードも行いますが、相場がどちらの方向を向いているのか、常にチェックしています。
少なくとも、日足ベースを見て、基本トレンドを把握します。
また、時に応じて、週足もチェックしています。
基本トレンドと言うのは、主に、1週間から数週間に及ぶ期間のトレンドを示します。
この程度の期間の相場トレンドを掴んでおき、このトレンド方向に合致した、60分足を軸としたスパンモデルやスーパーボリンジャーの売買シグナルに従っていけば、より高い確率で収益性の高いトレードを行うことが可能になります。
デイトレードや、スイングトレードは、最も収益性の高いトレードであると私は考えていますが、やはり、60分足に基づいた売買シグナルが有効です。
その売買シグナルの精度を増すためにも、日足や週足に基づく基本トレンドの把握は欠かせません。
そして、その基本トレンドの把握の為に、時間分析を行なうことが望ましいわけです。
以上です。
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