■前回号でも取り上げたテーマですが、「明確な方向感に欠ける相場でどのようにしてトレードするか」を今回のメルマガでも追及してみたいと思います。
例えば、ドル円相場を例にお話しましょう。
今年3月以降のドル円相場は、確かに、レンジ相場が続いてきます。
3月19日に安値93.55円を付け、4月6日に101.45円を付けたところまでは、相場にトレンド性もあり、良かったのですが、その後は、上値はせいぜい99円、下値は94円というレンジの中で、往ったり来たりの相場展開となっています。
特に、直近の過去3週間は、96円を挟んでの小動きの展開となっており、まさに方向感のない、トレンドレスの地合いにあります。
そして、この狭いレンジ相場の中で如何にしてトレードしたら良いのかというご質問が多数寄せられているのが実情です。
■ところで、私がお付き合いさせて頂いているFX会社でのアンケート結果や、私自身のセミナーに参加される個人投資家の皆様のご意見等から判断させて頂くところ、取引頻度に関して、1日に数回、1週間に十数回トレードされる方が比較的多いことが分かります。
アンケート結果を見ると、予想外ですが、デイトレードをされる方はそれほど多くないことも分かります。
どうも、総括的に見て、一般的な表現で言う「スイングトレード」というスタイルでトレードされる方が多いと言えそうです。
そうだとすると、この最近のレンジ相場と言う地合いは、トレード環境としてはそれほど悪くないのではないか、と私は思います。
スイングトレードに最も適していると言える60分足チャートをベースに、スパンモデルやスーパーボリンジャーを効率的に利用出来る相場環境にあると思うからです。
■実は、私自身、毎日トレードしているのですが、昨年7月まで勤務していた銀行員生活から脱却したお陰で、いつでもマーケットに入っていける環境にあります。
もっとも、私は、生来トレード好きの人間ですので、放っておくと1日中トレードばかりして、マーケットにどっぷりとつかり過ぎてしまうきらいがあると自省しています。
正直申し上げて、現在、優先度において最重要であるマーケットレポート配信、有料掲示板のアップデートをおろそかにすることは出来ませんので、実際のところ、日中トレードには自ら制限を掛けている次第です。
もちろん、自分でトレードを続けることのメリットは、毎日お相手をさせて頂いている個人投資家の皆様の気持ちが直接分かることです。
やはり、自己勘定でのトレードを行っていないと、刻々と変化する相場に関して的確なコメントが出来ないと思います。
ですから、極力、様々な通貨ペアのポジションを同時に持つようして、相場地合いを肌で感じるように努力しつつ、自らのトレード手法であるスパンモデル、スーパーボリンジャー、そして、時間分析を駆使した、生きたマーケットレポートをタイムリーにお届けしている次第です。
率直に言って、私自身は、右脳人間と申しますか、感覚でマーケットを判断するところも多いです。
そもそも、スパンモデルやスーパーボリンジャーを開発したのも、自分自身が感覚でマーケットを捉える傾向があり、根拠ある判断基準でもってポジションテイクをし、ポジション管理、リスク管理をする必要を感じたことが背景にあります。
加えて、スパンモデル、スーパーボリンジャー、さらに時間分析を追求していく中で、相場の世界には相場の世界ならではの「真理」が存在していることを発見しました。
「摂理」と言うと言い過ぎきに聞こえるかもしれませんが、どう控え目に言っても、相場の世界には相場の世界ならではの「法則」が存在しているのは間違いないと思います。
100パーセントの法則とは言えない点、「相場学」と言うのはおこがましいですが、基本的な考え方として、「相場学」のようなものが存在してしかるべきだと考えています。
■さて、話しを元に戻しまして、レンジ相場を如何にして成功トレードにつなげるか、皆様の関心のあるところに言及していきたいと思います。
そもそも、相場には大きく分けて2種類あり、1つはトレンドのある相場、もう1つはトレンドのない相場です。
本来、収益の上がる確率の高いトレードを行い易いのは、トレンドのある相場です。
一方、トレンドのない相場というのは、あまり収益が上がらないものです。
私のトレード手法であるスパンモデル、スーパーボリンジャーでも、トレンドのある相場、特に、「巡航速度」の上昇相場、もしくは下降相場というのは、押し目買いや戻り売りを効率的に行うことが出来、最も収益の上がり易い相場展開です。
尚、「巡航速度」の定義、意義、トレード方法については、私のEブック等をお読み頂ければよりお分かり頂けると思います。
従って、トレンドのある相場、特に巡航速度の上昇、下降相場をどのようにして見つけるかが大きなテーマでもあるわけです。
しかし、今回のメルマガは、トレンドのない相場において、如何にして収益の上がる成功トレードを行うかをメインテーマとしてお話を進めております。
前回のメルマガでは、「遅行スパン」の効用についてご説明させて頂きました。
今回は、スーパーボリンジャーの効用について簡単な部分を解説させて頂きます。
■スーパーボリンジャーで見た場合、レンジ相場の特徴として、以下のようなことが挙げられます。
1)スーパーボリンジャーのセンターラインの方向がフラット化傾向にあること。
2)スーパーボリンジャーの各シグマラインがフラット化傾向、もしくは収束傾向にあること。
3)遅行スパンが実態ローソク足(遅行スパンと同一時間に位置するローソク足のこと)に絡む格好で推移していること。
上記のような現象が見られる時、相場がレンジ相場にある可能性が高いです。
そして、このようなレンジ相場にある場合、特に、小動きの場合、相場は、プラス1シグマラインからマイナス1シグマラインの間で動く確率が高いです。
小動きでない場合でも、相場は、プラス2シグマラインからマイナス2シグマラインの間で動く確率が高いです。
そもそも、基本的に、相場と言うものは、プラス2シグマラインとマイナス2シグマラインの間を往来する傾向があります。
もっとも、センターラインがフラット化してケースもあれば、センターラインが右肩上がりか、右肩下がりのケースもあります。
例えば、相場がレンジ相場ながらも緩やかな上昇相場の地合いにあるケース、同じく、緩やかな下降相場の地合いにあるケースがそうです。
この辺りの判断は、遅行スパンを使うのが有効的です。
緩やかながらも上昇相場の場合、遅行スパンは実態ローソク足の上方に位置して推移する一方で、下降相場の場合、遅行スパンは実態ローソク足の下方に位置して推移するケースがほとんどです。
そして、一旦、遅行スパンが実態ローソク足に絡むか、もしくは実態ローソク足に限りなく接近して推移する場合は、相場がレンジ相場に入った公算が高いと判断されます。
■上記のように、相場がレンジ相場に入ったと判断した場合、より小動きの相場の場合は、上限をプラス1シグマラインとし、下限をマイナス1シグマラインと予測して売買を行う戦略が想定されます。
また、比較的動意のある相場の場合は、上限をプラス2シグマラインとし、下限をマイナス2シグマラインと予測して売買を行う戦略が想定されます。
尚、レンジ相場での売買で注意しなければならないのは、ロスカットです。
ロスカットには、色々な方法がありますが、代表的なものとしてお勧めするのが、バンド幅が拡大する中において、プラス1シグマラインを上抜けて引ける場合、もしくはマイナス1シグマラインを下抜けて引ける場合です。
これらの判断は、あくまで終値で行うことが大事なポイントです。
もちろん、遅行スパンが実態ローソク足から放れる場合もロスカットのポイントとして重要な判断基準です。
■尚、日足ベースでレンジ相場であるとしても、60分足ベースでは、トレンドが発生するケースも多いです。
本文冒頭部分でも申し上げた通り、スイングトレードをされる方の割合が大きいことからも、ぜひ、60分足スパンモデルや60分足スーパーボリンジャーの利用をお勧めします。
60分足ベースでは、頻繁にトレンドが生じているだけに、収益性の高いトレードに生かさない手はありません。
むしろ、60分足をベースにトレードする分には、何度も収益チャンスがあると言っても過言ではありません。
ぜひとも、皆様の毎日のトレードに役立てて頂きたいものと心から願っております。
以上です。
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