**参考チャート**はメルマガ内容分の末尾の後に掲載してあります。
■相変わらず、金融マーケットは弱気なムードが漂っています。
週末27日のニューヨーク市場では、米大手銀行であるシティバンクの株価が1.41ドルとなりました。
90年10月以来約18年4カ月ぶりの水準で、この1年で20分の1になった格好です。
思い出してみると、私が、邦銀を辞めて、シティバンク東京支店に移籍・入社したのが、92年9月でした。
そして、当時も、シティバンクは経営危機に陥っていて、株価も低迷していました。
当時、社員に払われる業績連動分の臨時ボーナスがストックオプションにて払われることになり、ディーラー連中がぼやいていたのを記憶しています。(こんな話をしても「時効」としてお許し下さい)
実のところ、入社した途端に、ディーリングルーム内の同僚から「何故こんな銀行にいらっしゃんたんですか??」なんて聞かれたほどでした。
確かに、そのような質問をされるのも当然のことで、当時の邦銀はまだまだ業績も良く、株価も高く、まさに「良き時代」にいたからです。
私自身、「最高の状態」にいた会社から「最悪の状態」の会社に移籍したわけです。
もっとも、その後の経緯はご存じの通り、日本は衰退、米国は回復に向かったのは言うまでもありません。
勝手ながら、高値にある通貨を売って、安値にある通貨を買ったようなものでした。
実際のところ、シティバンクの株価はその後、どんどん上昇していき、ストックオプションの価値が高まった結果、銀行内には多くの恩恵を受けた連中が多かったのは皮肉です。
もし、ストックオプションでなく、現金でボーナスをもらっていたら、無駄遣いしていたかもしれなかったわけですから、人生分からないものです。
■さて、そのシティバンクが実質国有化されるということで株価が大幅に下げました。
しかしながら、実際のところは、米政府が保有するシティの優先株について、250億ドルを上限に普通株に転換すると発表、これにより既存株主の所有権が74%程度希薄化される可能性があるために、株が売られたに過ぎません。
シティバンクそのものは、今回の措置をきっかけに持ち直す可能性が高いと思います。
全般的に見て、今後は、市場全体で、悪いニュースにより反応する「ネガティブサプライズ」よりも、それほど悪くない、むしろ好感される「ポジティブサプライズ」が増えていくものと思われます。
現在、ドル円相場やクロス円相場が上昇基調にあるのも、昨年来からの相場の流れに変化が生じているとも言えましょう。
ただ、ドル円相場に関して、「ドルが安全資産として買われている」といった「相場解説」を見聞しますが、それはそれで、私には、単なる「作文」をしているとしか思えません。
ある意味、実に場当たり的なコメントだなと感じてしまうくらいです。
■ところで、ここ最近は、ドル円相場がマーケットを引っ張っているようです。
少し前までは、ユーロやポンドがマーケットの先導役という役割を果たしていたのと対照的です。
実際のところ、私は、この2週間ほどは、ドル円に特化したポジションをとっています。
その前は、ユーロ円を軸にして、ユーロドル、ポンド円、豪ドル円等のクロス円でポジションをとっていました。
いつも心掛けているのは、その時々で旬の通貨ペアを見出し、その通貨ペアと徹底的に「友達」になることです。
会員様向けに、毎日のマーケットコメントを、ドル円、ユーロドル、ユーロ円、ポンド円、スイス円、豪ドル円、NZドル円、カナダ円と8通貨に関して書いておりますが、常に、今現在、どの通貨ペアが最も動いているかに注意を払うようにしています。
そして、単なる「講釈師」に陥らないように、自分自身でもポジションを持ち、極力、実践に即した有益なコメントをお届け出来るように努力しているつもりです。
■さて、ドル円相場を日足スパンモデルで見ると、2月18日に買いシグナルが点灯したことが分かります。
シグナル転換は、昨年9月15日に以来のことです。
スパンモデルのシグナル転換というのは、チャートの構造上、そう簡単に生じるものではありません。
日足ベースのスパンモデルですと、1年に数回したシグナルが発生しないケースが一般的です。
その為、滅多にトレードする時間のない方などには適したチャートですが、ある程度トレードする時間があって、収益を極大化することを目的としている方にとっては、やはり日足だけでは不十分です。
そこで、私は、60分足スパンモデルや60分足スーパーボリンジャーの利用をお勧めします。
中でも、とっつきやすいのが60分足スーパーボリンジャーです。
実際のところ、セミナー等でもお伝えしていることは、デイトレードでも、宵越しのポジションを持つスイングトレードでも、とにかく、60分足スーパーボリンジャーの効用についてです。
スーパーボリンジャーについては、60分足を軸にして利用して頂き、日足ベースでもって、やや長めの相場観に基づくポジションの管理を行うというスタンスで良いと思います。
私は、日足スーパーボリンジャーを、ポジションの造成のタイミングを計る上で重宝しています。
■尚、私のブログでは、極力、毎日、実際のスパンモデルやスーパーボリンジャーチャートをお見せしながら、簡単な相場解説を行っております。
http://www.market-homeroom.jp/
http://www.span-model.com/
が私のブログのURLです。
さらに詳細な相場解説、そして8通貨ペアそれぞれについての相場解説、トレード戦略、具体的、実践的なコーチングは、有料掲示板等々で行っております。
http://www.eagle-fly.com/1/mur
が有料掲示板+有料メルマガのご案内のURLです。
毎日お読みになるだけでも、基本的なところはお知りになることは出来ると思いますが、やはり、スパンモデル、スーパーボリンジャーの本格的な活用や、実際のトレード方法等については、有料情報を参考にされることをお勧めします。
他では見ることの出来ない、有益な情報が満載となっています。
私が今まで培ったトレードの奥儀なるものも惜しみなく提供させて頂いております。
ところで、スパンモデル、スーパーボリンジャーそのものに関する解説書として、お勧めするのが、Eブック「マーフィーの最強スパンモデルFX投資法を伝授」です。
http://www.xfine.info/mur/
がEブックご紹介のURLです。
掲示板、有料メルマガも1か月間無料でご覧になる特典もついております。
■それでは、ここでご参考の為に、日足スパンモデルと60分足スーパーボリンジャーチャートをご紹介させて頂きます。
今現在、旬の通貨ペアであるドル円相場でご説明します。
先ほどご紹介したブログ上に添付させて頂きました。
http://www.market-homeroom.jp/
http://www.span-model.com/
まず、ドル円相場の日足スパンモデルチャートとご覧ください。
青い矢印で示したのが、2月18日の時点です。
この時に、青色スパンが赤色スパンの上に位置したことで、ドル買いシグナルが点灯しているのが分かります。
そして、その2月18日の2日前に当たる2月16日に遅行スパンが陽転しているのが分かります。
スパンモデルの遅行スパンとは、直近のローソク足(この場合は日足)の終値を26日過去にずらした点をつないだラインのことです。
この遅行スパンは絶大な力を発揮しますので、ぜひとも習得されることをお勧めします。
この最近のドル円相場は、この遅行スパンが実態ローソク足(遅行スパンと同じ時間に位置しているローソク足のこと)を上回ってきたことで、陽転となりました。
陽転とは、買いの局面に入ったことを示します。
ちなみに、遅行スパンが実態ローソク足を下回ることを陰転と言います。
このドル円相場の買いシグナルは、先述しました通り、昨年9月15日以来であったわけです。
遅行スパンの陰転に至っては、昨年8月5日以来の出来事なのです。
このように、日足ベースのスパンモデルがいかに長い時間枠でのトレンドを示してくれるかお分かりになるかと思います。
■続いて、同じブログ内の60分足スーパーボリンジャーをご覧ください。
ニューヨーク終値時点にて、センターライン(青色ライン)に絡む格好で引けているのが分かります。
バンド幅は収束しており、週初月曜日の朝から動きだすことを示唆しているようです。
青色矢印で示した時点は、27日金曜日の東京市場オープン(午前9時)の時間です。
一本手前の8時台のローソク足がプラス1シグマライン(緑色ライン)を下回って引けたことで、下げを示唆していたのが分かります。
そして、青色矢印のタイミングである東京午前9時台に、相場はセンターラインである21時間線を下回り、さらに、マイナス1シグマライン(緑色ライン)をも下回って引けたのが分かります。
私は、センターラインを下回るだけでは、下げトレンドとは判断せず、マイナス1シグマラインを下回った時点で、初めて下落トレンド入りを確認します。
週末金曜日のドル円相場は、マイナス1シグマラインを下回って以降、しばらくはマイナス1シグマライン以下にて推移していました。
尚、この判断は全て終値で行います。
その後、3時台、4時台と、マイナス1シグマラインを上回って引けているのが分かります。
一般的に東京時間中の相場というのは大相場になりにくく、たとえ少し大きな動きがあっても、その調整が入り易い傾向にあります。
東京時間午前に下げたドル円相場が、夕刻にかけて調整で上昇したのも仕方ない動きとも判断出来そうです。
その後のドル円相場は、上下激しく変動します。
ニューヨーク市場午前にその日の安値96.85円まで下げたものの、急反転、98円台前半にまで上昇するというまるで「往って来い」の相場展開となりました。
私の相場分析ルールの中に、「下落トレンドは終値がマイナス1シグマラインを上回らない」というのがあります。
マイナス1シグマラインを上回った時点で、この相場は底固くなったと判断するわけです。
金曜日の相場もそうでした。
もっとも、ここで、遅行スパンに注目する必要があります。
赤色の矢印で示した時点が、遅行スパンが陰転する場面です。
実態ローソク足(スーパーボリンジャーの場合は21時間過去です)を遅行スパンが下回ることが陰転の意味です。
そして、注目して頂きたいのが、この遅行スパンが、ニューヨーク市場終値時点に至るまで一度も陽転していないことです。
一旦陰転して以降、そのまま越週しているのが分かります。
相場の方向性が分からなくなってくると、どうしても戸惑うものですが、この遅行スパンの動きを追うことで、相場の流れが見えてくると思います。
自分の相場分析の軸なるものをしっかりと固められることをお勧めします。
以上です。