以下は本日発行しました無料メルマガの本文です。
どうぞ、ご一読下さい。
■皆様、1週間お疲れ様でした。
私は、もともとマーケットが大好きな人間ですが、それでも、最近の相場では、肉体的、精神的に疲れる場面もあります。
やはり、人間的な煩悩があるせいか、「もっと高いところで売れたのに~」とか「安く変えるチャンス逃した~」と思う場面が頻繁にあったことが疲れを感じた原因かもしれません。
それにしても、相変わらず変動率(ボラティリティ)の高いマーケットが続いています。
先々週末(10月24日)に安値90.87円を付けたドル円相場は、昨日の海外市場で一時99.13円まで上伸しました。
尚、10月29日(水曜日)の早朝に一時高値99.79円まで上伸する場面がありました。
(私は、東京時間午前9時からニューヨーク時間午後5時時点を終値とするチャートにしており、シドニーマーケットの価格は分析対象から意図的に外しております。)
1週間で8.26円も上伸したことで、週末(10月31日)時点での21日移動平均線水準である99.62円に接近する動きとなっているのが分かります。
クロス円相場に至っては、さらに値幅は大きく、ユーロ円相場の場合、10月24日の安値113.79円から10月30日の高値131.05円まで17.26円も上伸しました。
ポンド円相場は、10月24日の安値139.05円(気配値)から、10月30日の高値165.10円(気配値)まで26.05円も上伸しているのが分かります。
■しかも、単に安値から反転上昇しているにとどまらず、一日の値動きが荒く、東京市場のオープン前から大きく下げた相場が、ニューヨーク市場の引けにかけて大きく戻すという展開も目立っています。
いずれにしましても、ここまで相場変動率が高いと、日中の上げ下げだけを狙っても、収益チャンスが多いのは事実です。
一方、下手にやれば、損失機会も増えてしまいますが、見方を変えると、ロスを出すトレードを行えば、それはそれで絶好の勉強のチャンスにもなるわけです。
「次回は絶対にこんな失敗は犯すまい」「今度こそ、成功トレードを行うぞ」といった風に、ひとつステップを越える機会にもなるわけです。
それでも、人間は弱いものです。
同じ失敗を何度も繰り返してしまうものなのです。
しかし、やはり、これではいけないということで、「自己変革」を起こします。
ただ、その後も、マーケットは何度も誘惑してきます(少なくとも、そのように見えてしまうのです)。
しかし、既に自分のトレード手法を確立した人は、強くなっていきます。
完璧な域に達していなくても、前進しているのは事実です。
たまには、そういう自分を褒めてやるのも一手だと思います。
■投資というのは、儲かるか損するか、結果がはっきりしている点で、他の日常生活での出来事と一線を画しています。
ただ、この「二元論的発想」は投資においては危険な状況を招くことになります。
「利益は善」「損失は悪」という発想をしてしまうと、自分を追いこんでしまうことになります。
「善」であるところの「利益」はすぐに実現してしまう一方で、「悪」であるところの「損失」はいつまでも実現させず、「評価損」のまま引っ張ってしまう傾向にあります。
この世の中に不思議な発想をする方が意外と多いことに驚かされます。
それは、「評価損」は実現するまでは、「損失」ではないと勘違いされていることです。
1ドル=100円で買ったドルを1ドル=95円の時に評価すると、1ドルにつき5円損失を出しているわけですが、そのドルを実勢レベルである1ドル=95円で実際に売るまでは「損失ではない」とお考えになっている個人投資家の方が如何に多いかという、驚愕の事実があります。
百歩譲って、外貨預金であれば、この解釈も成立するかもしれません(それでも、かなり無理をしていますが・・・)。
しかし、レバレッジを効かせているFX(外貨証拠金取引)においては、全く当てはまりません。
仮にレバレッジ1倍であれば、経済効果は外貨預金と同じことになり、むしろ、手数料等々を勘案すると、一般の金融機関に預ける外貨預金に比べて有利かもしれません。
もっとも、取引をしている外貨証拠金会社の信用リスクは存在します。
■いずれにしましても、ことFXに関しては、保証金の何倍もの金額の取引を行うことが出来る(レバレッジが効いている)以上、「評価損」を損失として認めないスタンスは極めて危険と言わざるを得ません。
ところで、私が勤務していた銀行(邦銀、米銀、欧州銀、中国系等々)では、自分が持っているポジションは毎日「値洗い」されました。
「値洗い」とは、毎日決まった時間に採用する評価レートでもって、現在持っているポジションが評価され、損益が毎日計算されるということです。
例えば、ある日の日中に百万ドルのドル円相場のドル買いポジションを1ドル=100円で持った場合、その日の評価レートが1ドル=100.50円であれば、1ドルにつき50銭の評価益、すなわち、50万円の評価益となります。
もし、評価レートが1ドル=99.50円であれば、50万円の評価損になるわけです。
その翌日の評価レートが1ドル=102円になれば、2百万円の「評価損」となるわけです。
このようにして、毎日自分の損益が評価されていきます。
「評価益」ならば「勝ちの日」、「評価損」であれば「負けの日」なのです。
私の場合、1か月の損失限度額が決められていた(もしくはチーフディーラーの自分が決めていた)ケースがほとんどでした。(銀行によっては、1週間の損失限度額を設けているところもあります)
その為、いくら、いずれドルが下がると思っていても、1か月(あるいは1週間)の中で、損失限度額に達する局面が一瞬たりともあれば、その場ですぐにロスカットしなければならない環境下でトレードしてきました。
それほど、過酷なトレード条件で生きてきただけに、損失限度額を守ることの重要性は、嫌と言うほど体で理解しているのです。
特に外資系銀行においては、損失限度額を守れない場合の制裁は厳しく、場合によっては「首」となるわけです。
そこには、「結果として相場観が正しく、途中に限度額を越える評価損が生じても最後には収益につながりました」ということが許されなかったわけです。
一般的な雇われのプロのトレーダーはそういう世界に身を置いているのです。
■個人投資家の場合、自分の「自尊心」を失いたく為に、自分の持っているポジションが自動ロスカットに合わないようにすべく、追加の保証金を積み増すケースが多いようです。
自分が造成したポジションが「評価損」を抱えていても、実現するまでは、損失と認めないわけです。
その為、悪循環の結果、どんどん奈落の底に落ちていきます。
私宛に、メールを下さった読者の中には、借金までして保証金を積み増して、自分のポジションを保ちつづけようと努めた方がいます。
しかし、残念なことに、最終的な結果は強制ロスカットに遭われたようです。
年収分や家1軒分相当の損失を出した方もおられました。
中には、億単位の損失を出された方からも間接的にご相談を受けました。
色々とお聞きするにつけ、自分の相場観が間違っていたことを認めることが「ほんの少し」遅れたことが原因で、巨額の損失に繋がった方がどれほど多かったか、驚くほどです。
そう言えば、1995年に旧大和銀行ニューヨーク支店にて債券トレーダーが巨額の損失を出した大きな事件がありましたが、当のトレーダーは当初被った僅かな損失を取り戻そうと試しみた結果、最終的に何と970億円の巨額損失を起こすまでに至ったのです。
挙句の果てに、旧大和銀行は米国市場から撤退を強いられたのです。その後の同行の凋落に拍車を掛ける結果にすらなったとも言えましょう。
■人は、どうも自分が一番可愛いようです。
だから、その可愛い自分が造成したポジションにいつまでも拘るわけです。
しかも悪いことに、マーケットが自分のポジションに優位に推移する時には、早く収益を実現してしまう一方で、一旦、マーケットが自分に不利に推移し始めると、途端に固まってしまうケースがあまりにも多いと言えそうです。
すなわち、自分が造成したポジションが可愛くていつまでもキープしてしまうことになるのです。
「利小損大」(利益は小さく、損失は大きい)を絵に描いたような結果となるわけです。
■ここで何が問題かと言うと、自分のポジションにいつまでも執着して拘る方は、相場を相手にしているのではなく、自分のポジションのコストや恐怖感を相手にしているということです。
本来、相場に合わせて、ポジションを取り、ポジションを管理するのが当然にもかかわらず、実際には相場の動きとは関係なく、自分のポジションのコストに拘ってしまっているのです。
よく、ポジション管理、リスク管理に関するご質問を頂戴しますが、表面的なことよりも、この心の内面をどう管理するかが実は大きなポイントなのです。
心理学的アプローチというと、アカデミックな印象がありますが、もっと根源的な部分が対象であることに気づくべきだと思います。
例えば、1ドル=98.50円のコストのドル買いポジションを持っている時、相場が下がっていき、何度も戻るけれども、98.20円近辺にまでしか戻らず、自分の買値のコストとの30銭程度の差に拘ったために、その後に相場が97円、96円と下げていく場面で、全く手も足も出なくなってしまうという具合です。
恐らく、その人は、相場が下げそうだと、既に心の中では感じているのです。
しかし、せっかくの相場観と実際に自分がとっている行動とに大きな隔たりがあるのです。
相場が下がりそうだから、買いのポジションを処分すること、さらには売りポジションを建てることが本来とるべきアクションなのです。
しかし、「損失は悪である」という固定観念がいつまでも自分の行動に制限をかけてしまうわけです。
さらには「実現するまでは損失ではない」という間違った考え方が行動を遅らせてしまうのです。
「利益」や「損失」はあくまで結果論です。
買値より売値が高ければ利益であり、買値より売値が安ければ損失になる、ただそれだけのことです。
「利益」か「損失」かの違いよりも、どんなポジションが持つか持たないかの違いにこだわるべきなのです。
それが、私がいつも申し上げている「相場と友達になる」ことの意味なのです。
相場の流れに乗っていれば、利益に繋がるトレードを行える可能性が高まり、相場に逆らっていれば、損失に繋がるトレードを行う可能性が高い、と言い換えることも出来そうです。
■この相場の流れに乗るための手段として、私は「スパンモデル」や「スーパーボリンジャー」をお勧めしている次第です。
特に「スパンモデル」は、買いは青色で、売りは赤色で、と言う風に色で示してくれますので、決断するに当たってのストレスの度合いは他のチャート分析に比べて格段に下がります。
私は「常にリラックスした精神状態を保つこと」を投資成功の為の必要条件に挙げています。
もっとも、ポジションを持っている時に、リラックスすることなど無理かもしれませんが、せめてストレスを和らげてくれるものがあれば、それに越したことはありません。
それが「スパンモデル」であり、「スーパーボリンジャー」であると思っています。
「スパンモデル」のシグナルの他に、「遅行スパン」はとりわけ心の支えになってくれる優れモノです。
「遅行スパン」と実勢ローソク足の位置だけを見ておくだけでもどれだけ気楽な気持ちになれるか、不思議なくらいです。
さらに、「時間分析」、「価格分析」を相場分析に組み入れると、一層、心は平安になります。
相場が変化時間帯を迎えて、転換に向かう公算が高まったと判断出来るかどうかで、「スパンモデル」や「スーパーボリンジャー」の判断がより確信を持ったものとなるわけです。
とりわけ、「時間分析」は重宝です。
「価格分析」は往々にして下手な値頃感につながるリスクをもたらす可能性がありますが、「時間分析」は、相場が変化し易い時間帯を事前に教えてくれますので、心の準備が出来るわけです。
というわけで、やはり、相場と友達になって出来るだけリラックスした精神状態でポジションを持つ為には、優秀な「道具」があるかないかが大きな違いとなると考えられるのです。
以上です。
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■毎日の私の相場解説やリアルタイムのコーチングをさせて頂く為の専用の
「マーフィーの実践トレードコーチング有料掲示板」は益々充実しております。
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週足や日足をベースとして中長期のトレードから、60分足、5分足、1分足をベース
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■ところで、お陰様で、Eブック「マーフィーの最強スパンモデルFX投資法を伝授」
は引き続き好評を頂いております。
 http://www.xfine.info/1/murphy1t.html
本書籍の内容は、160ページに亘り、私の相場分析に当たっての基本となる、投資哲学、
分析手法である「スパンモデル」と「スーパーボリンジャー」(ボリンジャーバンドの
応用分析モデル)について、詳しくまとめたものです。
普段から私の相場分析に慣れ親しんでおられる方はもちろん、これから相場に真剣に取
り組まれようとする初心者の方、さらにはプロの方にとっても大変参考になるものと
確信しております。
上記にご紹介した「マーフィーの実践トレードコーチング掲示板」でのフォローと
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